[% title = "The Debian GNU/Linux FAQ - Debian FTP アーカイブ" %]
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Debian GNU/Linux 用にパッケージ化されたソフトウェアは、それぞれの Debian ミラー サイトにあるいくつかのディレクトリのうちの一つから利用できます。
ディレクトリ dists には「ディストリビューション」があります。 現在利用可能な Debian リリース (やプレリリース) にアクセスするにはここを 使うのが正規の方法です。
普通は「stable (安定版)」と「unstable (開発版)」の二つのディストリビュー ションがあります。「frozen (凍結版)」というディストリビューションが存在 することもあります (「frozen」とは何ですか?, 第 5.4 節 参照)。
単なる「コードネーム」です。Debian ディストリビューションが開発段階に あるときにはバージョン番号は存在しませんがコードネームはあります。コード ネームの目的は Debian ディストリビューションのミラーリングをより簡易にす ることです (unstable のような実際のディレクトリの名前が突然 stable に変わると、たくさんのものを再度無駄にダウンロードしなく てはなりません)。
現在 stable は potato (つまり Debian GNU/Linux 2.2) へのシンボリックリンクで、unstable は woody へのシンボリック リンクです。つまり potato が現在の安定版ディストリビューション で woody が現在の開発版ディストリビューションということです。
開発版 (unstable) ディストリビューションは充分に安定したら凍結 (frozen) されます。凍結されると新たなコードはもはや取り込まれず、必要な らバグ修正だけが行われます。同時に新しい開発版ツリーが dists ディ レクトリに作られ、新たなコードネームが付けられます。凍結版ディストリビュー ションは二三ヶ月テストされます。この間更新は一時的に中断され、「テストサ イクル」と呼ばれる「深い凍結 (deep freeze)」に入ります。我々は、パッケー ジをリリースから遅らせうる凍結版ディストリビューションのバグや、全体のリ リースを遅らせうるバグを記録し続けます。バグの数が許容最大値を下回ったら 凍結版ディストリビューションは安定版となってリリースされ、前の安定版ディ ストリビューションは御祓箱となってアーカイブに移されます。
今までに使われた他のコードネームは次の通りです。リリース 1.1 の buzz、リリース 1.2 の rex、リリース 1.3.x の bo、リリース 2.0 の hamm、リリース 2.1 の slink。
今までのところ、Pixar 作の映画「トイストーリー」の登場人物から取られ ています。
buzz (Buzz Lightyear) は 宇宙飛行士。
rex はチラノザウルス。
bo (Bo Peep) は羊飼いの娘。
hamm は子供銀行。
slink (Slinky Dog) はおもちゃの犬。
potato はもちろんミスターポテト。
woody はカウボーイ。
まだリリースされていないアーキテクチャ用の初めての特別なディストリビュー ションです。
sid が存在していなかったとき、FTP サイト構成には一つの大きな欠点があ りました。あるアーキテクチャが現在の開発版に作成されたら、そのディストリ ビューションが新たな安定版となったときにリリースされるという仮定があった のです。多くのアーキテクチャにとってこれは当てはまらず、その結果、これら のディレクトリはリリース時に移動されなければならなくなり、たくさんの帯域 を消費していました。
まだリリースされていないアーキテクチャの場合、それが初めてリリースさ れるときに現在の stable から sid へリンクが張られ、そこから unstable な ツリーに通常通りアーキテクチャが作られます。 sid がリリースされるという ことはありませんし、直接アクセスされることもありません。現在の stable か frozen、unstable ツリーの中のシンボリックリンクを通じてのみアクセスでき ます。つまり既リリース・未リリースのアーキテクチャの混合体なのです。
「sid」という名前もアニメ映画「トイストーリー」から来ています。sid は 次のドアで人形を破壊する少年でした :-)。
stable/main/: このディレクトリには Debian GNU/Linux システムの最も新しいリリースを正式に構成 するパッケージがあります。
ここにあるパッケージはすべて Debian
フリーソフトウェアガ イドライン
を満たしており、
すべて自由に使って配布することができます。
stable/non-free/: このディレクトリには、特別な著作権の要求の扱い に配布者が注意を要するような、配布に制限がかかっているパッケージがあり ます。
たとえば、商用として配布することを禁止している使用許諾を持っている ものがあります。また、再配布はできますが、実のところシェアウェアであっ てフリーウェアではないものもあります。どのような再配布物 (CD-ROM など )に含めるのであれ、それぞれのパッケージの使用許諾を事前に調べておき、 できえるだけ交渉しておかなければなりません。
stable/contrib/: このディレクトリにあるパッケージは Debian フリー ソフトウェアガイドライン的にフリーであり自由に再配布できますが、自由に再配布できないため non-free セクションでのみ利 用できるパッケージにともかく依存しています。
「unstable」ディレクトリには現在の開発版システムのスナップショットが あります。これらのパッケージを使ったりテストしたりすることは歓迎されます が、準備段階であることに留意しなければなりません。unstable ディストリビュー ションを使うことのメリットは GNU/Linux ソフトウェア製品を常に最新に保て ることですが、動かなくなったら両方の部分を維持できるようになります :-)。
「unstable」にも「stable」と同じ規則で main・contrib・non-free サブディ レクトリが分かれて存在します。
主要なディレクトリツリー (dists/stable/main、 dists/stable/contrib、dists/stable/non-free、 dists/unstable/main/ など。ただし project/experimental/ は分割するには小さすぎるので除きます) の それぞれの中で、サブディレクトリ中にバイナリパッケージが存在します。サブ ディレクトリの名前はパッケージがコンパイルされたチップアーキテクチャを示 しています。
binary-all/ アーキテクチャに依存しないパッケージがあります。たと えば Perl スクリプトや純粋な文書です。
binary-i386/ 80x86 PC マシンで実行されるパッケージです。
binary-m68k/ モトローラの 680x0 プロセッサの一つを使用したマシン で実行されるパッケージです。現在、おもに Atari と Amiga 向けに作られて おり、VME ベースの産業標準ボードのなかにも実行できるものがあります。
binary-sparc/ Sun Sparcstations で実行されるパッケージです。
binary-alpha/ DEC Alpha マシンで実行されるパッケージです。
binary-powerpc/ PowerPC マシンで実行されるパッケージです。
binary-arm/ ARM マシンで実行されるパッケージです。
更なる情報は Debian GNU/Linux はどんなハードウェアのアーキテクチャ/システム で動きますか?, 第 3.1 節 を参照してください。
Debian システムではあらゆるもののためにソースコードが含まれています。 さらに、システムのプログラムの使用許諾条件は、たいてい、プログラムと一緒 にソースコードが配布されるか、ソースコードを提供する申し出がプログラムに 附属していることを要求しています。
通常ソースコードは「source」ディレクトリで配布されています。このディ レクトリはアーキテクチャ固有のバイナリディレクトリと同列にあります。
「contrib」と「non-free」ディレクトリのパッケージのためのソースコード はあってもなくても構いません。これらは Debian システムの公式な一部ではあ りません。
以下の追加的ディレクトリがあります。
ブートディスクを作ったり、ディスクドライブをパーティショニング したり、ファイルを圧縮/伸長したり、Linux をブートさせるための DOS ユー ティリティ。
Debian の文書や Debian FAQ、バグ報告の提出方法。
様々な索引、保守担当者、Packages-master ファイル、override ファ イル。
主として開発者専用のもの。例えば以下のようなもの。
まだ開発中あるいはアルファのテスト段階のパッケージがこのディ レクトリには含まれます。利用者はここにあるパッケージを使うべきで はありません。ほとんどの経験者にとってさえも危険で有害なものであ りうるからです。
古い保守担当者によって「みなしご化」され、ディストリビュー ションから引き上げさせられたパッケージ。
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The Debian GNU/Linux FAQ
version CVS, 2 January 2007