[% title = "The Debian GNU/Linux FAQ - Debian とカーネル" %]
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できます。ただしヘッダに関する Debian のポリシーを理解しておかなけれ ばなりません。
Debian の C ライブラリは、最も新しい安定版リリースのカー ネルヘッダで構築されています。
例えば Debian 1.2 リリースはバージョン 5.4.13 のヘッダを使っていまし た。この実践は、すべての Linux FTP アーカイブサイトで配布されている Linux カーネルのソースパッケージと対立します。これらはもっと新しいバージョ ンのヘッダを使っているのです。カーネルソースと共に配布されているカーネル ヘッダは /usr/include/linux/include/ に位置しています。
libc6-dev
で提供されているものより新しいカーネルヘッダでプ
ログラムをコンパイルしたい場合は、コンパイル時のコマンドラインに
-I/usr/src/linux/include/ を加えなければなりません。このことは
例えばオートマウンタデーモン (amd
) をパッケージ化する際に問題
になりました。新しいカーネルが NFS 関連で内部に変更があった場合、
amd はそのことを知る必要がありました。つまり最新のカーネルヘッ
ダを含める必要があったのです。
カスタムカーネルを構築したい (あるいは、しなければならない) ユーザは
kernel-package
をダウンロードして下さい。このパッケージにはカー
ネルパッケージを構築するためのスクリプトが含まれており、カーネルのソース
のトップディレクトリでコマンド
make-kpkg kernel_image
を実行するだけで Debian の kernel-image パッケージを作成してくれます。 詳しい説明はコマンド
make-kpkg --help
を実行するか、 make-kpkg(8)
のマニュアルページを見て下さい。
またこれとは別に、最新のカーネル (あるいはお好みのカーネル) のソース コードをお気に入りの Linux アーカイブサイトからダウンロードしておいて下 さい。kernel-source-version (「version」はカーネルバージョンのこと) パッ ケージがある場合は必要ありません。
kernel-package
パッケージを利用する際の詳しい手順はファイル
/usr/doc/kernel-package/README に記されています。簡単に述べると
次のようになります。
カーネルのソースを展開し、新しく作成されたディレクトリに cd (移動) して下さい。
以下のコマンドのどれかを使ってカーネルの設定を修正して下さい。
make config (tty で一度に一行づつ設定していきます)。
make menuconfig (ncurses ベースのメニュー形式インタ
フェース)。この方法を使うには libncurses5-dev
パッケー
ジがインストールされている必要があります。
make xconfig (X11 インタフェース)。この方法を使うに は、X と Tcl/Tk の適切なパッケージ群がインストールされている必要 があります。
どのやり方でも、カーネルのソースのトップディレクトリに新しい .config が作成されます。
make-kpkg -rev Custom.N kernel_image というコマンドを実 行して下さい。ここで N はユーザが割り当てるリビジョン番号です。このよ うにして作った新しい Debian アーカイブはリビジョン Custom.1 になります。 例えば、Linux カーネル 2.2.14 に対して、 kernel-image-2.2.14_Custom.1_i386.deb が作成されます。
作成したパッケージをインストールして下さい。
dpkg --install /usr/src/kernel-image_VVV_Custom.N.deb を実行してカーネルをイン ストールして下さい。インストールスクリプトは以下のことをします。
(もし LILO がインストールされていれば) ブートローダ LILO を走らせる。
カスタムカーネルを /boot/vmlinuz_VVV-Custom.N にインストー ルして、最も新しいバージョンのカーネルに適切なシンボリックリン クを作成する。
ブートフロッピーを作るかどうかをユーザに尋ねる。このブート フロッピーは raw カーネルだけを含みます。カスタムブートフロッピーを作るにはどうすればよ いですか?, 第 9.3 節 を見て下さい。
grub
や loadlin のような 2 次的なブートローダを
使うには、このイメージを別の場所 (例えば /boot/grub や MS-DOS
のパーティション) にコピーして下さい。
この作業には、通常 Debian FTP アーカイブの admin セクション にある
Debian パッケージ boot-floppies
がとても役に立ちます。
このパッケージのシェルスクリプトは SYSLINUX 形式でブートフロッ
ピーを作成します。これはマスターブートレコードが変更された MS-DOS
形式のフロッピーなので、Linux (あるいはフロッピー中のファ イル syslinux.cfg
で設定した別の OS) を直接ブートします。またこのパッケー
ジには、非常用のルートディスクを作成したり、ベースディスクを再作成したり
するスクリプトも含まれています。
boot-floppies
パッケージをインストールしたあとなら
/usr/doc/boot-floppies/README ファイルでこれに関する詳しい情報
を得ることができます。
Debian の modconf
パッケージには、モジュールの設定をカスタ
マイズするシェルスクリプト (/usr/sbin/modconf) が入っています。
このスクリプトはメニューベースのインタフェースを持ち、ユーザはシステム中
のロード可能なデバイスドライバの詳細な設定を行うことができます。これを使
うと、/etc/modutils/ 以下のファイルと /etc/modules
(ブー ト時にロードするモジュールを記入します) とを通じて、ファイル
/etc/modules.conf
(エイリアスや様々なモジュールの組み合わせに必要な引数を記入します)
をカスタマイズすることができます。
(新しい) Configure.help ファイルがカスタムカーネルの構築をサポートし てくれますし、modconf パッケージにも、個々のモジュールに関する適切な引数 の詳しい情報を教えてくれるヘルプファイルが (/usr/lib/modules_help/ に) 付属しています。
できます。kernel-image-NNN.prerm スクリプトは、現在動いてい るカーネルが消去しようとしているカーネルと同じかどうかを調べてくれます。 したがって次のコマンドを使えば不要なカーネルイメージパッケージを消去する ことができます。
dpkg --purge --force-remove-essential kernel-image-NNN
(もちろん「NNN」はあなたのバージョン・リビジョン番号に置き換えてください )
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The Debian GNU/Linux FAQ
version CVS, 2 January 2007